この記事はこんな人におすすめ:
事故車のレッカー代や保管料を相手方に請求できるか知りたい人
一度搬送した車を別の工場へ移す費用が問題になっている人
修理・廃車の方針が決まらず、保管料が増えている人
交通事故に伴うレッカー代や車両保管料は、必要性などを確認したうえで損害として請求を検討できます。 ただし、業者の請求額がすべて相手方の負担になるとは限りません。保管料では保管の必要性と期間、複数回の搬送ではそれぞれの移動の必要性が問題になります。この記事では、相手方への損害賠償としての請求を中心に、残しておきたい資料と確認事項を整理します。
目次
レッカー代・保管料は修理費と分けて確認する
レッカー代は搬送ごとの必要性を整理する
車両保管料は必要性と期間が重要
費用が増える前に確認したいこと
請求に向けて残しておく資料
まとめ:何のための搬送・保管だったかを説明する
レッカー代・保管料は修理費と分けて確認する
事故処理に伴う費用として検討する
指定の実務書では、事故処理などに伴う諸費として、車両の保管料、車両の引揚げ費、レッカー代が挙げられています。
修理費は壊れた車を直すための費用ですが、搬送費や保管料は、車を移動させたり預けたりするための費用です。請求書にまとめて記載されていても、項目ごとに内容を確認する必要があります。
「修理に関係している費用だから全部請求できる」と考えず、作業内容・利用期間・料金の内訳を分けて整理しましょう。
業者への支払と相手方への賠償請求を分ける
確認の際には、「誰が業者へ依頼したか」「業者から誰に請求されているか」と、「相手方にどこまで損害賠償として請求するか」を分けて把握することが大切です。
業者の請求書があることだけで、相手方の負担範囲まで確定するわけではありません。反対に、相手方の保険会社から支払わないと説明されたことだけで、業者への支払関係も解決するわけではありません。
依頼時の説明、見積書、請求先、保険会社との連絡内容を確認してください。契約上の支払義務に争いがある場合は、その問題も含めて個別に検討する必要があります。
レッカー代は搬送ごとの必要性を整理する
どこからどこへ、なぜ移動させたか
レッカー代を確認するときは、事故車の状態、搬送元と搬送先、日時、作業内容を整理します。単に「レッカーを呼んだ」という説明だけでなく、事故後にその移動が必要だった理由を示すためです。
車の損傷写真や搬送業者の作業明細があれば、請求額との対応も確認できます。引揚げなどの作業が含まれる場合は、搬送そのものの費用と区別して内訳を残しましょう。
距離や作業の内容が分からない請求書であれば、業者に説明を求めることが考えられます。本稿では一律の距離制限や料金相場を示さず、実際の内容を確認することを重視します。
二度目の搬送も自動的に対象になるわけではない
指定の実務書は、複数回のレッカー移動について、それぞれの必要性が問題となり、二次レッカーの必要性が否定される場合もあると説明しています。
たとえば、最初の搬送先から別の修理工場へ移す場合は、最初の場所ではどのような対応ができず、なぜ移動先を変更する必要があったのかを確認します。
一度目の搬送が必要だったことだけで、二度目以降の搬送費も当然に認められるとは限りません。 一方で、二回目という理由だけで一律に対象外になるものとも説明できません。
移動を検討する段階で、工場の説明、移動理由、追加費用を整理し、相手方の保険会社などと費用の扱いを確認しておくことが考えられます。
車両保管料は必要性と期間が重要
預けた事実だけでは十分ではない
指定の実務書は、車両保管料について、保管の必要性と期間の相当性が必要であると説明しています。ここでいう相当性とは、その事故の処理のために必要な範囲といえるかという問題です。
保管料が発生したことに加え、なぜ車をそこに置いておく必要があったのか、いつまで必要だったのかを整理します。
修理の準備や損傷の確認などで車を預けている場合も、目的と経過を記録しておきましょう。実際の保管日数が、そのまま全日数について賠償の対象になるとは限りません。
示談や方針決定を待つ期間を具体的に確認する
修理するか、買い替えるかを検討している間に、保管料が増えることがあります。また、保険会社の確認や回答を待っている場合もあります。
そのようなときは、「話合いが終わっていない」という説明だけでなく、何の確認が未了で、車両を残す必要がどこにあるのかを整理します。
いつ確認を依頼し、いつ回答があり、次に誰が対応する予定なのかを記録してください。これは期間の必要性を説明するための整理であり、回答待ちであれば必ず全期間が認められるという意味ではありません。
費用が増える前に確認したいこと
保管の料金条件を早めに把握する
保管先には、料金が発生するか、いつから発生するか、どの単位で計算するか、出庫時に別の費用があるかを確認しましょう。
「無料だと思っていた」「修理費に含まれると思っていた」といった行き違いを避けるため、説明はメールや書面などで残すことが考えられます。相手方の保険会社がどの費用を把握しているかも確認します。
保管が長引く見込みが分かった場合は、その理由、今後の見込み、増える費用を整理して、関係者と対応を検討してください。
追加搬送と保管継続を比較するときの注意点
保管を続けるか、別の場所へ移すかを考える場合は、日々の保管料だけでなく、新たな搬送費や受入先の条件も確認します。移動すれば必ず損害額が小さくなる、又は移動費が必ず賠償されるとは限りません。
また、費用を止めるために急いで車を処分すると、損傷の確認に必要な現物がなくなることがあります。必要な調査や写真・資料の保存について、修理工場や関係者と確認したうえで方針を決めることが考えられます。
費用だけで即断せず、必要な確認を済ませることと、不要な搬送・保管を続けないことの両方を検討しましょう。
請求に向けて残しておく資料
資料 | 主な確認目的 |
|---|---|
事故車の写真、損傷の説明 | 搬送や保管が必要となった事情 |
搬送の依頼内容、作業明細 | 搬送元・搬送先、日時、引揚げ等の作業内容 |
見積書、請求書、領収書 | 費用の内訳、請求先、支払状況 |
保管条件の説明、入出庫の記録 | 保管料の計算方法と実際の期間 |
修理工場や保険会社との連絡 | 確認待ちの内容、移動・保管継続の理由 |
修理・買替え等の方針決定の記録 | 各時点で車両をどう扱う予定だったか |
たとえば二回の搬送がある場合には、各回の理由と料金を別々に整理します。保管先が途中で変わった場合も、場所ごとに期間と料金を分けておくと、重複や内訳の不明点を確認できます。
保険会社と認識が合わない場合は、搬送・保管の必要性、料金、期間のどこが争われているかを尋ねましょう。資料を示しても整理が難しいときは、見積書や連絡記録を持参して弁護士に相談できます。
まとめ:何のための搬送・保管だったかを説明する
レッカー代や車両保管料は、事故に伴う損害として検討できますが、請求書の金額すべてが当然に認められるものではありません。再搬送の必要性や、保管の目的・期間を具体的に確認します。
作業や保管の内容、料金条件、関係者との連絡経過を残し、追加費用が生じる前に対応を検討しましょう。
この記事の執筆者
あきらB
交通事故被害者の方が適切な賠償金を受け取れるよう、法律的な観点から初期対応のアドバイスや記事の執筆、内容の検証・監修を行っています。