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交通事故の休車損害とは?営業車が使えない場合の利益減少と必要資料

交通事故の休車損害とは?営業車が使えない場合の利益減少と必要資料

あきらB

#費目別

この記事はこんな人におすすめ:

  • タクシーや運送用トラックが事故で使えず、営業に支障が出ている人

  • 休車損害の計算で、売上や経費をどう扱うか知りたい人

  • 保険会社から予備車の有無や計算根拠を尋ねられ、資料を整理したい人

事故で営業車が使えなくなり、本来得られた営業上の利益を失った場合には、休車損害の請求を検討します。 ただし、車が止まった日数に売上をそのまま掛けるものではありません。事故車を使う必要性、代わりの車で対応できたか、支出を免れた経費、修理・買替えに必要な期間を確認します。この記事では、主にタクシー・バス・運送用トラックなどを念頭に、算定の考え方と準備資料を説明します。

目次

  • 休車損害とは車が使えない間の営業上の損失

  • 代わりの車で営業できたかを確認する

  • 休車損害の計算では売上と経費を分ける

  • 対象期間は修理・買替えに必要な相当期間

  • 請求に向けて準備する資料と整理方法

  • まとめ:車が止まった事実と利益の損失を結び付ける

休車損害とは車が使えない間の営業上の損失

修理費とは別に利益の喪失を検討する

休車損害は、事故で車が稼働できなくなったため、その間に営業していれば得られたはずの利益を失うことによる損害です。

指定の実務書では、主にタクシー、ハイヤー、バス、営業用貨物トラックなどで問題になると説明されています。車そのものを直すための修理費とは別に、使えない間の営業への影響を検討します。

ただし、事業者が所有する車であれば、自動的に一定額を請求できるわけではありません。事故車をどの業務に使う予定だったのか、使えないことでどの利益が失われたのかが重要です。

単に通勤や訪問に利用する社用車と、車両の運行自体で収益を得るタクシーなどを、同じ前提で計算しないようにしましょう。

代車費用やけがによる休業損害との違い

代車費用は、事故車の代わりに借りた車の費用です。休車損害は、営業できなかったことによる利益の喪失が問題になります。

また、運転者本人がけがをして働けなくなったことによる休業損害とも区別が必要です。車の損傷、運転者のけが、代替対応の有無を分けて整理してください。

他の事業者に仕事を委託した場合は、単純な利益の喪失ではなく、追加の外注費などが問題になることもあります。書籍にも、事故で使えなくなったトラックの代わりに外注を増やした費用を基に損害を算定した例が紹介されています。

事故前と同じ売上を維持できたかだけでなく、そのために追加費用が生じていないかも確認します。 同じ経済的な損失を重複して計上しないよう、費用と利益減少を分けることが大切です。

代わりの車で営業できたかを確認する

遊休車・予備車の有無が問題になる

指定の実務書は、事故車を使用する必要があること、代わりに使える遊休車がないこと、代車を容易に調達できないことを、休車損害の発生を検討する要素として整理しています。

遊休車とは、稼働していない車両を指します。事故車の代わりに予備車などを使い、支障なく営業を続けられて利益の損失を回避できた場合には、車が使えなかったというだけで休車損害が生じるとはいえません。

複数の車を保有する事業者では、事故車だけでなく、他の車の稼働状況も確認する必要があります。

保有台数だけでは判断できない

他に車があっても、修理・点検中で使えない場合や、別の営業所からの回送に時間・費用がかかる場合などがあります。運転者の手配が難しく、実際には代わりに稼働できないこともあります。

「別の車を持っていること」と「事故車の代わりに実際に使えること」は分けて確認します。 書籍も、形式的には稼働していない車があっても、やりくりによって損害を防ぐことが困難な場合を説明しています。

車両一覧に加え、各車の配車、運行、点検、所在などを整理しましょう。「予備車はありません」とだけ回答するより、代わりに使えなかった理由を資料で説明することが大切です。

休車損害の計算では売上と経費を分ける

基本は運賃収入から支出を免れた経費を差し引く

指定の実務書が示す基本的な考え方は、次のとおりです。

(1日当たりの運賃収入-休車によって支出を免れた1日当たりの経費)×相当な休車期間

これは事故車の収益と費用を把握するための基本形です。運賃収入に利益率を掛ける方法なども紹介されており、使用する資料と計算の前提を確認する必要があります。

売上だけを用いると、本来は運行のために支出していた費用まで請求に含めることになります。一方、休車中も続く支出をすべて差し引くと、失われた利益を適切に捉えられないことがあります。

燃料費などの変動経費と、続けて支出する固定経費

書籍では、控除する経費として、事故車の燃料代、オイル代、通行料などが挙げられています。車を動かさなかったことで、その支出を免れたかを確認します。

これに対して、保険料、駐車場使用料、減価償却費のような固定経費は、休車してもなくならないものとして、基本的に控除しないと説明されています。

ただし、帳簿の科目名だけで機械的に決まるわけではありません。人件費も、休車により支払わずに済んだ部分があるのか、それとも支払が続いていたのかによって検討が必要です。

大切なのは「経費だから全部引く」ことではなく、事故で稼働しなかったために実際に支出を免れたかを確認することです。

売上資料は繁忙期や車両ごとの違いにも注意する

書籍は、事故前の売上実績を基に算定する考え方を示す一方、短い期間だけを参照すると、繁忙期などの影響で不正確になる可能性も指摘しています。

事故直前の売上が高い時期だけを選ぶのではなく、通常の稼働状況を説明できる範囲の資料を整理します。季節による変動が大きい場合は、より長い期間の実績を確認する必要があります。

複数台の売上を単純に台数で割る場合も、事故車が担っていた業務や車両ごとの稼働状況との関係を確認しましょう。計算表の数字がどの帳簿に対応するのか、後からたどれる形にしておくことが重要です。

対象期間は修理・買替えに必要な相当期間

実際に使わなかった全期間が対象とは限らない

休車損害の対象となるのは、車の修理に必要な相当期間、又は買替えが相当な場合に買替えに必要な相当期間です。

実際に車を使わなかった日数を、そのまま全部計上できるとは限りません。修理内容、入庫や着手の経過、買替手続などを確認して、事故によって必要となった期間を説明します。

また、日額の計算で用いた稼働日・暦日の扱いと、掛け合わせる休車期間が合っているかにも注意しましょう。数字だけを抜き出して計算すると、通常の稼働状況を適切に反映できないおそれがあります。

営業車特有の準備に時間がかかる場合

指定の実務書では、営業用トラックの買替えについて、荷台などの設備を別途整える必要や、営業用車両としての手続があることに触れています。

一般的な乗用車と同じ日数で済むとは限らない一方、長くかかったという説明だけで全期間が認められるわけではありません。必要な装備、発注内容、手続の経過、納車見込みを記録しておきましょう。

遅れが生じた場合も、修理工場や販売店の説明を残し、いつ、何を待っていたかを整理することが考えられます。

請求に向けて準備する資料と整理方法

収益・経費・代替可能性・期間を資料に対応させる

確認する内容

資料の例

事故車の業務と収益

運行日報、配車表、車両別売上、受注・予約の記録

通常の売上と季節変動

確定申告書、損益明細書、輸送実績報告書、継続的な売上資料

支出を免れた経費

燃料・通行料等の明細、事故前後の帳簿

他車で対応できなかった理由

保有車両一覧、各車の運行・点検記録、所在、運転者の配置

修理・買替えに必要な期間

見積書、入庫・着手・完成の記録、注文書、納車予定の説明

外注による追加費用

委託内容、契約・請求書、事故前後の外注費の比較

すべてが一律に必須という意味ではありません。自社の業務と、争われている点に合う資料を選びます。

自作の計算表には元資料を添える

書籍は、被害者が作成した計算書だけでは、客観性・正確性が問題になり得ることを指摘しています。計算表を作ること自体は有用ですが、各数字の出所を示す資料も必要です。

保険会社と金額が合わないときは、日額、控除経費、期間、代替可能性のどこに違いがあるかを確認します。営業の実態を理解してもらうため、数字とともに事故前後の業務の変化も説明しましょう。

整理が難しい場合は、帳簿・運行記録・修理資料・提示書をそろえて弁護士に相談できます。

まとめ:車が止まった事実と利益の損失を結び付ける

休車損害では、事故車を使う必要性、他車や外注での対応状況、収入と支出を免れた経費、相当な休車期間を確認します。売上減少額や使えなかった日数だけでは、請求額を決められません。

運行記録と帳簿、修理・買替えの経過をそろえ、事故によってどの利益が失われたかを具体的に説明しましょう。

この記事の執筆者

あきらB

交通事故被害者の方が適切な賠償金を受け取れるよう、法律的な観点から初期対応のアドバイスや記事の執筆、内容の検証・監修を行っています。

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