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交通事故で加害者から訴えられたら?債務不存在確認訴訟への対応

示談・裁判

2026/10/07

交通事故で加害者から訴えられたら?債務不存在確認訴訟への対応

あきらB

#個別の悩み

この記事はこんな人におすすめ:

  • 交通事故の被害者なのに、相手から裁判を起こされた人

  • 「債務不存在確認」という訴状の意味が分からない人

  • 裁判所の書類を受け取り、何から確認すべきか知りたい人

交通事故では、加害者側から被害者側に対し、損害賠償の支払義務がないことなどの確認を求める訴訟が起こされる場合があります。これを「債務不存在確認訴訟」といいます。被害者側が訴えられたこと自体で、相手の主張が正しいと決まるわけではありませんが、裁判所の書類を放置せず、期限と請求内容を確認して対応する必要があります。この記事では、訴えの意味、受け取った書類の確認、反論のための資料整理を説明します。

目次

  • 交通事故の債務不存在確認訴訟とは?

  • 裁判所の書類を受け取ったら最初にすること

  • 訴状のどこを読めば争点が分かる?

  • 反論に向けて整理する事故・治療・損害の資料

  • 賠償金を受け取るための手続きも確認する

  • 弁護士への相談時に準備したいもの

  • まとめ:期限と相手の請求内容を確認して対応する

交通事故の債務不存在確認訴訟とは?

相手が支払義務の不存在を確認してもらう訴訟

「債務」とは、ここでは損害賠償金を支払う義務のことです。債務不存在確認訴訟は、その義務が存在しないことについて、裁判所の判断を求める訴訟です。

交通事故の被害者が損害賠償を求める訴訟では、通常、被害者側が訴える側になります。一方、債務不存在確認訴訟では、支払義務を争う加害者側が先に訴えることがあります。

裁判で訴えを起こした人を「原告」、訴えられた人を「被告」と呼びます。民事裁判で被告になることは、刑事事件で犯罪を問われることとは異なります。事故の被害者側でも、相手から訴えられれば被告という立場になります。

訴えられたという事実と、請求の正当性は別

指定書籍では、加害者側の法的手段として、任意の交渉で解決が難しい場合の債務不存在確認訴訟が紹介されています。

もっとも、相手が訴訟を起こしたからといって、被害者の請求が不当だと判断されたわけではありません。相手が何を争い、どの資料を根拠にしているかを確認し、こちらの説明と証拠を整理する必要があります。

訴状に書かれた内容は、まず相手側の主張として読みます。そのまま裁判所の判断だと受け止めないことが大切です。

裁判所の書類を受け取ったら最初にすること

裁判所名・事件番号・期限・期日を確認する

最初に、届いた書類を一式保管し、次の点を確認します。

  • どの裁判所の、どの事件か

  • 誰が原告で、誰が被告か

  • 答弁書などの提出期限がいつか

  • 裁判の期日がいつか

  • 裁判所からどのような対応を求められているか

答弁書は、相手の請求や主張に対する自分の意見を示す書面です。提出期限や期日は、実際に届いた書類の記載を確認してください。日数を自己判断で数えて済ませず、不明点は担当の裁判所に確認します。

弁護士に相談する場合も、予約の際に裁判所から書類が届いていることと、期限・期日を伝えましょう。

交渉中でも裁判への対応を別に確認する

相手や保険会社と話をしている最中でも、裁判所からの連絡への対応を後回しにしないようにします。交渉の経過を伝えることと、裁判所に必要な書面を提出することを分けて管理しましょう。

裁判所の公式案内では、被告が欠席し、答弁書等でも請求を争う意思を明らかにしていない場合、不利な内容の判決が言い渡される可能性があると説明されています。「自分は被害者だから対応しなくてよい」と考えず、書面の提出と期日への対応を確認してください。
期限までに準備が難しい、期日に対応できないといった事情がある場合も、何もせず待つのではなく、早めに裁判所や相談先の弁護士に伝えます。連絡すれば当然に期限や期日が変わるという意味ではありません。

訴状のどこを読めば争点が分かる?

「請求の趣旨」で求められている結論を確認する

訴状の「請求の趣旨」は、原告が裁判所にどのような判断を求めるのかを示す部分です。対象となる事故と債務がどのように書かれているか、金額による限定があるかなどを読みます。

「債務不存在確認」という事件名だけで、争われている範囲を決めつけないようにしましょう。すでに支払われた費用や、相手が認めている金額との関係も、訴状全体で確認します。

理由の部分を読み、争われている項目を分ける

相手の主張は、次のような観点で整理できます。すべての事件で同じ争点が生じるわけではありません。

確認する分野

読み取る内容

事故状況

車の動き、信号、衝突位置などの説明が自分と違うか

責任・過失割合

相手が責任や割合をどのように主張しているか

けがと治療

事故との関係、治療内容や期間のどの部分を争っているか

損害額

治療費、休業損害、慰謝料などのどの項目が問題か

支払の経過

何を、いつ、いくら支払ったと記載されているか

「全部おかしい」とまとめるより、相手の主張と自分の説明が異なる点を項目ごとに整理すると、必要な資料を検討しやすくなります。

反論に向けて整理する事故・治療・損害の資料

事故状況が争われている場合

事故の起こり方については、現場や車両の写真、ドライブレコーダー映像、実況見分調書などが検討対象になります。

どの資料の、どの部分が、自分の説明を裏付けるのかを整理します。相手が提出した資料についても、その資料から実際に分かることと、相手がそこから推測していることを分けて確認しましょう。

治療の必要性や事故との関係が争われている場合

診断書、診療録、画像検査の資料、診療報酬明細書などを確認します。医療資料は、けがの内容や診察・治療の経過を検討するために用いられます。

治療費の支払があったことと、その治療費を事故による損害として請求できることは、別途検討が必要です。領収書だけで説明が足りるのか、治療の必要性などを示す資料も必要なのかを、争点に応じて確認します。

医学的な点で意見が分かれている場合は、本人の推測で結論を出さず、どの医療情報が不足しているかを整理します。

休業や損害額が争われている場合

休業損害では、休業損害証明書、源泉徴収票、確定申告書の控えなどを使い、収入や休業の状況を確認します。仕事を休む必要性について、けがの程度や仕事内容を説明することも重要です。

そのほか、通院交通費の明細、修理見積書・明細書・領収書など、請求項目に対応する資料を整理します。すでに受け取った支払についても、支払者、日付、金額、名目をまとめましょう。

訴えられた側になったからといって、損害の根拠を整理しなくてよくなるわけではありません。争われている損害を具体的に説明できるよう準備することが大切です。

賠償金を受け取るための手続きも確認する

相手の請求への反論と、自分の支払請求を分けて考える

債務不存在確認訴訟への対応では、相手の求める判断に対して反論することに加え、自分が賠償金を受け取るためにどのような請求や手続きが必要かも確認します。

「相手の訴えを争っていれば、自分が希望する金額の支払まで当然に命じてもらえる」とは考えず、訴訟で求める結論と、実際の支払に向けた進め方を弁護士と整理しましょう。

反訴など、被害者側から支払を求める手続きの要否・時期・範囲は、個別の訴訟に応じた検討事項です。治療中で損害が固まっていない場合なども、今どこまで対応し、今後何を確認するかを相談します。

和解で解決する場合も条件を確認する

交通事故の訴訟は、判決だけでなく和解で解決する場合もあります。和解案が示された場合は、支払額だけでなく、既払金との関係、支払期限、解決の対象となる請求の範囲なども確認しましょう。

これは合意内容を確認するための実務上の提案です。裁判を早く終わらせたいという気持ちだけで決めず、どの争いをどの条件で解決するのかを理解したうえで判断します。

弁護士への相談時に準備したいもの

相談では、まず裁判所から届いた訴状、添付資料、期日や提出期限の案内を一式示します。あわせて、次のものを準備すると検討に役立ちます。

  • 事故から現在までの経過をまとめたメモ

  • 相手や保険会社とのやり取り、提示された賠償額の明細

  • 事故状況、治療、収入、支出を裏付ける資料

  • すでに受け取った金額と支払名目の一覧

  • 現在の治療状況と、今後確認が必要な事項

すべての資料がそろうまで相談を待つ必要はありません。期限が迫っている場合は、そのことを最初に伝え、手元にある書類から対応を検討しましょう。

裁判所への提出方法などは、事件に適用される現在の手続きと裁判所の案内を確認します。古い書式の提出部数や方法を、そのまま使わないようにしてください。

まとめ:期限と相手の請求内容を確認して対応する

債務不存在確認訴訟は、加害者側から支払義務の不存在について判断を求める訴訟です。被害者が被告になっても、そのことだけで相手の主張が正しいと決まるわけではありません。

まずは提出期限と期日を確認し、相手が何を争っているかを読み取ります。そのうえで、事故状況や損害を裏付ける資料を整理し、反論と自分の支払請求の両方を検討しましょう。

裁判所からの書類を受け取ったら、書類一式と交渉資料を持って早めに弁護士に相談すると、期限を踏まえた対応方針を検討できます。

この記事の執筆者

あきらB

交通事故被害者の方が適切な賠償金を受け取れるよう、法律的な観点から初期対応のアドバイスや記事の執筆、内容の検証・監修を行っています。

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