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交通事故の自賠責への被害者請求とは?示談前の請求と必要書類

交通事故の自賠責への被害者請求とは?示談前の請求と必要書類

あきらB

#手続き・資料

この記事はこんな人におすすめ:

  • 相手との示談が終わる前に、自賠責へ請求できるか知りたい人

  • 相手が任意保険に入っていない、支払いに応じないなどの事情がある人

  • 被害者請求の窓口と、用意する書類を確認したい人

自賠責への被害者請求は、被害者が相手車両の自賠責保険会社に直接、損害賠償額の支払いを求める手続きです。 自賠法上の賠償責任が生じる場合に、保険金額の限度で支払いを受ける制度で、相手との示談成立を必ず待つ必要はありません。ただし、請求書類の準備や損害の調査があり、申し込めば無条件に支払われるものではありません。この記事では、主にけがの治療費・休業損害など、傷害段階の請求を説明します。

目次

  • 自賠責への被害者請求とは

  • 請求する前に窓口と支払い状況を確認する

  • 被害者請求で準備する主な必要書類

  • 書類提出から調査・支払いまでの流れ

  • 仮渡金・後遺障害の請求との違い

  • まとめ:請求先・書類・既払額を整理して進める

自賠責への被害者請求とは

相手からの支払いを待たずに直接請求する手続き

自賠責には、被害者に賠償金を支払った加害者側が請求する方法と、被害者自身が直接請求する方法があります。

被害者請求は、自動車損害賠償保障法16条に基づくことから「16条請求」とも呼ばれます。相手が賠償金を支払わず、示談もまとまらないために被害者が支払いを受けられない状況でも、利用を検討できる仕組みです。

たとえば、相手が任意保険に入っていない場合や、相手との交渉が長引いている場合には、自賠責の加入先と請求の可否を確認します。

ただし、相手が支払わないという事情だけで、自賠責からの支払いが決まるわけではありません。 事故の責任関係、契約の有効性、事故による損害などの確認を受けます。

傷害の限度額は120万円

自賠責の傷害による損害の支払限度額は、被害者1人につき120万円です。治療費、休業損害、入通院慰謝料などを含む傷害の損害全体についての限度であり、慰謝料だけに120万円の枠があるわけではありません。

また、120万円が定額でもらえるという意味ではなく、支払基準に従って認められる損害について支払いが行われます。

自賠責は人身事故を対象とするため、車の修理費などの物損は対象外です。後遺障害・死亡による損害は、傷害とは別の区分として検討します。

請求する前に窓口と支払い状況を確認する

相手車両の自賠責保険会社を調べる

請求先は、原則として相手車両が加入する自賠責保険会社です。自分の任意保険会社や、相手の任意保険会社と同じとは限りません。

交通事故証明書の記載や、自賠責保険証明書などから、保険会社名と証明書番号を確認します。不明な場合は、相手に証明書の提示を求めるなどして確認してください。

加入先が分かったら、自賠責の被害者請求をしたいこと、事故日、けがの状況、現在までの支払い状況を伝え、請求書式と必要書類の案内を取り寄せます。

任意保険会社が一括払いをしている場合

相手の任意保険会社が、自賠責分も含めて窓口となり、治療費などをまとめて支払うことがあります。これが「一括払い」です。

既に一括払いが行われている場合は、同じ損害について別々に請求を進める前に、担当者へ被害者請求を検討していることを伝えます。指定の実務書では、被害者請求へ切り替える際に一括払いの解除が必要になることが説明されています。

現在の支払いがどこまで続くのか、どの損害・期間を被害者請求に切り替えるのかを確認してから進めましょう。 医療機関への支払方法にも関係するため、書類だけを先に提出して済むとは考えないことが大切です。

支払済みの金額を整理する

相手や保険会社から既に治療費・休業損害などの支払いを受けている場合は、日付、金額、対象となる損害を整理します。自分が受け取った金額だけでなく、医療機関に直接支払われた治療費にも注意してください。

同じ損害について二重に支払いを受ける手続きではないため、振込記録や支払明細を確認し、不明な部分は担当者に尋ねます。

被害者請求で準備する主な必要書類

事故とけが、請求する損害を示す資料

傷害段階の請求で確認する代表的な書類は、次のとおりです。すべての事故で同じ書類が必要になるわけではなく、請求内容に応じて追加や省略があります。

主な書類

確認する内容・準備先の例

支払請求書

請求先の保険会社から書式と記入案内を入手する

交通事故証明書

事故に関する基本情報を確認する

交通事故発生状況報告書

事故の起き方を、事実に沿って記載する

医師の診断書・診療報酬明細書

けがの内容、治療の経過・費用を示す

休業損害証明書・収入関係資料

休業と収入減少について、勤務先や税務関係資料などで示す

通院交通費の明細・領収書等

通院日、経路、交通手段、支出を整理する

看護・付き添い費用に関する資料

請求する場合に、必要性や実際の付き添い・支出を示す

既に受けた支払いの資料

支払明細、領収書、示談書などで既払額を確認する

本人確認・受領権限に関する書類

請求先の案内に従い、必要な証明書や代理人の委任状等を確認する

給与所得者と自営業者では、収入や休業を示す資料が異なります。家事に従事する人の休業損害も含め、自分の働き方に応じた資料を確認してください。

表は準備の入口であり、現行の提出書類を網羅したチェックリストではありません。診断書などを新たに取得する前に、必要な書式・対象期間・既存資料を使えるかを請求先に確認すると、取り直しを防ぎやすくなります。

資料が手元にない場合は保有先を確認する

医療資料を既に任意保険会社へ提出していたり、保険会社が医療機関から取り寄せていたりすることがあります。まず、どの資料がどこにあるかを確認します。

原本が必要か、写しで足りるか、提出済み資料をどのように扱うかは請求先に確認してください。提出前には、送付した内容が分かるよう控えを残すことを勧めます。

事故状況や通院日が資料ごとに違っている場合は、推測でそろえず、事実を確認して説明します。書類が不足していることを隠さず、入手予定や代わりの資料について相談しましょう。

書類提出から調査・支払いまでの流れ

保険会社の受付後に損害調査が行われる

請求書類を提出すると、保険会社が書類や自賠責契約の有効性を確認し、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所で事故状況や支払対象、損害額などの調査が行われます。

書類だけでは確認できない場合には、当事者への事故状況の照会や医療機関への照会などが行われることがあります。提出後に追加資料や説明を求められた場合は、何が確認できていないのかを確かめて対応します。

調査結果に基づき、保険会社が支払額を決定し、支払いを行います。提出から何日で必ず入金されると考えず、書類の受付状況、追加確認の有無、進行状況を担当者に確認しましょう。

結果に疑問がある場合は理由を確認する

請求した金額と支払額が違う場合には、どの損害が、どのような理由で認められなかったのかを確認します。書類不足なのか、事故との関係や費用の必要性が問題になったのかによって、対応が異なります。

支払判断に不服がある場合には、保険会社への異議申立てを検討できます。ただし、申立てをすれば必ず判断が変わるものではありません。判断理由と、補足できる資料を整理して検討します。

仮渡金・後遺障害の請求との違い

当面の出費には仮渡金を検討する場合がある

損害額が確定していない段階の当面の出費に対応する制度として、自賠責の「仮渡金」があります。一定の傷害などの条件に応じて定められた金額を請求するもので、認められた損害額を請求する被害者請求と同じではありません。

仮渡金は支払いの一部前渡しであり、最終的な支払額との精算が必要です。過払いになれば返還が必要になることがあるため、返さなくてよい給付と考えないでください。

後遺障害が残る場合は追加の検討が必要

治療を受けても症状が残り、症状固定となった場合には、後遺障害についての被害者請求を検討することがあります。その際は、後遺障害診断書などの資料が必要になります。

傷害段階の請求をしたことだけで、後遺障害の等級が認定されるわけではありません。後遺障害申請の方法や資料の準備は、治療中の費用等の請求とは分けて整理します。

また、相手との示談が続いていても、自賠責への請求期限を別に確認する必要があります。事故から時間が経っている場合は、請求先や弁護士に早めに相談してください。

まとめ:請求先・書類・既払額を整理して進める

被害者請求は、相手との示談前でも、自賠責からの支払いを求めるために検討できる手続きです。まず加入先を調べ、一括払いの有無、既に受けた支払い、必要書類を確認します。

書類を出すことだけを目的にせず、事故と損害を正確に説明できる資料をそろえましょう。 資料の入手や支払判断、請求期限に疑問がある場合は、手元の書類と経過を整理して弁護士に相談できます。

この記事の執筆者

あきらB

交通事故被害者の方が適切な賠償金を受け取れるよう、法律的な観点から初期対応のアドバイスや記事の執筆、内容の検証・監修を行っています。

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