お問い合わせ

交通事故ガイド

〉

後遺障害

〉

〉

後遺障害の事前認定と被害者請求の違いは?手続き・資料準備と選び方 

後遺障害

2026/10/06

後遺障害の事前認定と被害者請求の違いは?手続き・資料準備と選び方 

あきらB

#手続き・資料

この記事はこんな人におすすめ:

  • 後遺障害の申請を保険会社に任せるか、自分で進めるか迷っている人

  • 事前認定と被害者請求で、準備や支払いの流れがどう違うか知りたい人

  • 申請する資料を確認したいが、何から始めればよいか分からない人

事前認定と被害者請求の主な違いは、手続きを進める窓口と、被害者側が資料の準備・提出に関わる範囲です。 事前認定は相手側の任意保険会社を通じて後遺障害の認定手続きを進める方法で、被害者請求は被害者側から相手側の自賠責保険会社へ直接請求する方法です。被害者請求には自ら資料を整えて進められる面がある一方、手続きの負担もあります。申請方法だけで認定や増額が約束されるわけではないため、準備できる資料と現在の保険対応を踏まえて選びましょう。〔1〕

目次

  • 事前認定と被害者請求の違いを比較する

  • 事前認定は任意保険会社を通じて進める方法

  • 被害者請求は自賠責保険会社へ直接請求する方法

  • どちらを選ぶか考えるときの確認点

  • 方法にかかわらず確認したい資料と結果

  • まとめ:申請方法と提出資料の両方を確認する

事前認定と被害者請求の違いを比較する

この記事では、相手方の自動車の自賠責保険に関する後遺障害の手続きを比較します。労災保険や障害年金の申請方法を比較するものではありません。

まず、手続きを進める立場と、自賠責からの支払いまでを分けて整理すると違いが分かります。

比較する点

事前認定

被害者請求

主な連絡窓口

相手側の任意保険会社

相手側の自賠責保険会社

手続きの進め方

任意保険会社を通じて認定の手続きを進める

被害者側で請求資料を整え、直接請求する

被害者側の準備

診断書などの提出・協力は必要。担当者と分担を確認する

資料の収集・提出や追加の照会への対応を自ら管理する負担がある

支払いとの関係

認定結果の通知と、任意保険会社からの賠償金の支払いは別の段階

支払要件を満たせば、示談前でも自賠責の限度内で支払いを受けられる

事前認定は、後遺障害の結果を先に確認する手続きであり、その結果が出れば直ちに入金されるという意味ではありません。 一方、被害者請求も、申請さえすれば必ず支払われる制度ではありません。

窓口となる保険会社と、調査を行う機関を混同しない

自賠責の損害調査では、保険会社が資料を確認した後、自賠責損害調査事務所に資料が送られ、事故と傷害の関係や損害などが調べられます。調査結果を受けて保険会社が支払額を決定する流れが、専門書と損害保険料率算出機構の案内に示されています。

そのため、「任意保険会社に書類を渡すから、その担当者が医学的な等級を自由に決める」「被害者請求なら被害者が等級を選べる」と理解するのは適切ではありません。

事前認定は任意保険会社を通じて進める方法

担当者と資料の準備を分担する

事前認定では、相手側の任意保険会社を窓口として、後遺障害に関する手続きを進めます。既に治療費などについてやり取りをしている場合は、その担当者に、後遺障害の手続きがどの段階にあるかを確認してください。

確認しておきたいのは、次のような点です。

  • 後遺障害診断書をいつ、誰に提出するのか

  • 保険会社が持っている資料と、これから取り付ける資料は何か

  • 被害者側で準備する必要がある資料は何か

  • 提出予定と、追加確認がある場合の連絡方法はどうなっているか

このリストは手続きの行き違いを防ぐための確認例です。必要資料や具体的な分担は事案に応じて確認してください。

任せる場合も、資料への疑問は提出前に伝える

任意保険会社が窓口になることで、自らすべての連絡を行う負担を抑えられる場合があります。ただし、「任せているから、診断書や資料の内容を確認する必要がない」ということではありません。

症状について伝え漏れがあると感じた場合は、どの症状が、どの資料に反映されていないのかを整理しましょう。医学的な記載についての疑問は医師に確認し、手続き上の提出資料については担当者に確認するなど、相談先を分けることが大切です。

任意保険会社を通じる方法であることだけを理由に、資料が不適切に扱われると決めつける必要もありません。具体的な不足や疑問を確かめることを優先してください。

被害者請求は自賠責保険会社へ直接請求する方法

自分側で資料を整え、請求手続きを進める

被害者請求は、自動車損害賠償保障法16条に基づき、被害者が相手側の自賠責保険会社へ損害賠償額を直接請求する方法です。後遺障害の請求では、症状固定後の後遺障害診断書など、必要な資料をそろえて提出します。

申請を急ぐために症状固定の時期を自分だけで決めず、医師と確認しながら準備を進めてください。本記事では、症状固定の詳しい判断ではなく、その後の申請方法の違いを扱います。

自分側で提出資料を管理できる一方、何が必要かの確認、資料の取り付け、照会への対応などの負担があります。被害者請求は「自分で申し込めるから簡単」という意味ではありません。

専門書も、被害者請求には被害者自身が手続きに対応する負担があることと、後遺障害の認定を自ら請求できる点を説明しています。

示談前の支払いと、損害全体の解決は別

被害者請求では、相手側との示談成立前でも、支払要件を満たせば自賠責の限度内で損害賠償額の支払いを受けられます。

ただし、その支払いによって、任意保険会社との話合いや損害全体の検討まで自動的に終わるわけではありません。自賠責から受け取る金額と、最終的な賠償全体を区別して把握してください。

また、事前認定から被害者請求に切り替えることを考える場合は、資料がどこまで提出されているか、既に支払われた費用があるかも確認しておきましょう。

一括対応中は、切替えの段取りを確認する

任意保険会社が自賠責分を含めて対応する「一括払い」が行われている場合、専門書は、被害者請求に当たり任意保険会社へその旨を伝えて一括払いの解除をしてもらう必要があると説明しています。

そのため、窓口や資料の扱いを確認しないまま、同じ資料を複数の窓口へ送ることは避けましょう。担当者に現在の進行状況を尋ね、引き継ぐ資料と新たに提出する資料を整理することをお勧めします。

ここでいう切替えの確認は、後遺障害の申請を進めるためのものです。治療費の支払いなど他の対応に関わることもあるため、影響する範囲を確認せずに解除だけを急がないでください。

どちらを選ぶか考えるときの確認点

手続きの負担と資料への関与を比べる

どちらを選ぶかは、手続きの名称だけでなく、現在の状況から考えましょう。

  • 自分で資料の取り付けや連絡に対応できるか

  • 診断書や提出資料について、具体的な疑問があるか

  • 保険会社と、資料の準備や提出予定を確認できているか

  • 示談前の自賠責からの支払いを検討する必要があるか

  • 弁護士などに資料確認や手続きの支援を依頼するか

例えば、保険会社と準備内容を確認できており、窓口対応の負担を抑えたい場合と、資料の不足を自分側で整理して提出したい場合とでは、重視する点が違います。

これは方法を選ぶための考え方であり、特定の事情があれば必ず一方を選ぶべきだという基準ではありません。

「被害者請求なら認定率が上がる」とは断定できない

申請方法の選択と、認定に必要な事実を資料で示すことは別の問題です。 被害者請求を選んだという理由だけで、認定されることや、より重い等級になることが保証されるわけではありません。

同じように、事前認定だから必ず不利になるともいえません。自分側で資料を確認しやすいことは手続き上の特徴ですが、その特徴と認定結果を直結させないことが大切です。

方法の優劣だけを考えるより、症状や経過について何が確認でき、何が不足しているかを整理してください。

方法にかかわらず確認したい資料と結果

診断書の作成と認定判断を区別する

後遺障害診断書は、医師に作成してもらう医学的な資料です。その記載内容について、症状や検査結果などに疑問があれば、医師に確認してください。

ただし、診断書を作成してもらったこと自体が、後遺障害等級の認定を意味するわけではありません。診断書などを基に、事故との関係や残った障害について調査・判断が行われます。

希望する等級に合わせて記載を求めるのではなく、実際の症状や経過が正確に伝わるように確認しましょう。 資料の写しや提出日も手元に残しておくと、後から経緯を振り返る際に役立ちます。

結果に納得できない場合は、理由を確認する

申請後は、結果だけでなく、どのような理由による判断なのかも確認してください。専門書は、一括払いの事前認定の回答や後遺障害等級などに不服がある場合に、保険会社へ異議申立てを行えることを説明しています。

「別の方法で出し直せば認められる」と考えるのではなく、判断理由と、追加で確認すべき資料を整理することが先です。診断書の詳しい確認方法や非該当後の対応は、それぞれ別のテーマとして検討する必要があります。

まとめ:申請方法と提出資料の両方を確認する

事前認定と被害者請求は、窓口、資料準備への関与、支払いまでの流れに違いがあります。任意保険会社に任せる場合も、自分側で進める場合も、準備する資料と担当範囲を確認しましょう。

どちらの方法を選ぶかだけでなく、症状や経過を示す資料が整っているかが重要です。 方法の選択や資料の不足に迷う場合は、診断書、保険会社との連絡内容、既に提出した資料を整理して、弁護士への相談を検討してください。

この記事の執筆者

あきらB

交通事故被害者の方が適切な賠償金を受け取れるよう、法律的な観点から初期対応のアドバイスや記事の執筆、内容の検証・監修を行っています。

この記事をシェアする

交通事故ガイド後遺障害

後遺障害の事前認定と被害者請求の違いは?...