お問い合わせ

交通事故ガイド

〉

後遺障害

〉

〉

交通事故の後遺障害とは?認定の流れ・等級・必要な準備

後遺障害

2026/10/06

交通事故の後遺障害とは?認定の流れ・等級・必要な準備

あきらB

#総論

この記事はこんな人におすすめ:


  • 交通事故の治療を続けても、痛みやしびれ、動かしにくさが残っている方

  • 後遺障害の等級認定について、手続きの全体像を知りたい方

  • 診断書や検査資料など、申請前に準備するものを確認したい方


交通事故の後遺障害は、治療をしても残った症状について、事故との関係や障害の内容を踏まえて検討するものです。症状が残れば必ず等級が認定されるわけではなく、自賠責保険では所定の基準に沿って判断されます。まずは主治医と治療の経過や症状固定について確認し、残った症状を示す資料を整理することが大切です。この記事では、自賠責の等級認定を中心に、手続きと賠償との関係を説明します。

目次

  • 交通事故の後遺障害とは?後遺症・症状固定との関係

  • 後遺障害の等級と、認定で確認されること

  • 後遺障害等級認定の流れ

  • 申請前に準備する診断書・検査資料・生活の記録

  • 等級が認定されると賠償の検討はどう変わる?

  • 非該当や想定と異なる等級だった場合

  • まとめ:治療経過と残った症状を資料で伝える

交通事故の後遺障害とは?後遺症・症状固定との関係

症状が残ることと、等級認定は同じではない

治療をしても残った痛みや機能の障害などは、一般に「後遺症」と呼ばれます。一方、自賠責保険で後遺障害として扱われるかは、事故との因果関係や症状の医学的な裏付け、等級の基準などを踏まえて判断されます。

そのため、痛みが残っているという事実だけで、直ちに特定の等級が認定されるわけではありません。また、主治医が診断書を作成したことと、自賠責の等級が認定されたことも別です。

認定の検討に当たっては、症状の内容だけでなく、事故後どのような経過をたどり、どのような検査・治療を受けてきたかも整理します。

症状固定は「痛みがなくなった」という意味ではない

症状固定とは、治療を続けても、それ以上の改善が期待しにくくなった状態をいいます。痛みやしびれが消えたことを意味するものではありません。

後遺障害の検討では、主治医の医学的な判断を確認することが重要です。ただし、損害賠償上の症状固定時期が争われた場合には、治療経過などを踏まえた法的な判断も問題になります。

保険会社から治療費の支払い終了を伝えられたことだけで、症状固定や後遺障害の等級が決まるわけではありません。 支払いの話と、治療による改善の見込みを分けて確認しましょう。

後遺障害の等級と、認定で確認されること

等級は障害の内容・程度に応じて分かれる

自賠責の等級表には、介護を要する後遺障害について第1級・第2級、それ以外の後遺障害について第1級から第14級までの区分があります。視力や聴力、手足の機能、神経症状など、障害の種類ごとに基準が設けられています。

病名だけで等級が決まるわけではありません。同じ部位の怪我でも、残った障害の程度や検査結果などによって検討内容が異なります。

複数の障害が残った場合には、組み合わせに応じた扱いも問題になります。ただし、等級の数字を単純に足したり、症状が多いほど自動的に重い等級になると考えたりしないことが大切です。

事故との関係と医学的な資料を確認する

申請に向けて、主に次の点を整理します。

  • どのような事故で、どの部位を負傷したか

  • 症状がいつから現れ、その後どう続いているか

  • 診察や検査で、どのような所見が確認されているか

  • 治療を経て、どのような症状や機能の障害が残ったか

症状の説明と診療記録・検査資料に食い違いがある場合には、その理由を確認する必要があります。申請のために症状を強調するのではなく、実際の経過を正確に伝えることが基本です。

後遺障害等級認定の流れ

1.主治医と残った症状・症状固定を確認する

治療の経過を踏まえて、現在の症状と今後の改善の見込みを主治医に確認します。通院期間だけを理由に、自分で症状固定の時期を決めないようにしましょう。

症状が複数ある場合には、部位ごとに、いつ・どのような支障があるかを整理して診察時に伝えると、確認したい点が明確になります。

2.後遺障害診断書などの資料を用意する

症状固定の判断を踏まえ、主治医に後遺障害診断書の作成を依頼します。あわせて、必要となる診断書、診療報酬明細書、画像などの検査資料を確認します。

後遺障害診断書は重要な資料ですが、それだけで判断されるとは限りません。事故の状況や治療経過を示す資料も必要になります。

3.事前認定または被害者請求で手続きを進める

自賠責の後遺障害等級の判断を受ける方法には、主に次の2つがあります。

方法

手続きの概要

準備で確認すること

事前認定

相手方の任意保険会社を通じて等級の判断を求める方法

提出する診断書や検査資料、手続きの進み具合

被害者請求

被害者側が相手方の自賠責保険会社へ直接請求し、その中で等級の判断を受ける方法

請求書類、事故・治療・障害に関する資料の収集と提出

被害者請求は、等級の判断だけを独立して申し込む手続きではなく、自賠責保険への請求手続きの中で行われるものです。

どちらの方法を選んでも、残った障害と事故との関係を資料で示すことが重要です。方法を変えれば必ず認定される、というものではありません。

4.調査を経て結果を確認する

自賠責保険の請求では、保険会社から送られた資料に基づき、損害保険料率算出機構が損害調査を行い、その結果を保険会社へ報告します。保険会社はその調査結果に基づいて支払額を決定します。

必要に応じて医療機関への確認などが行われるため、追加資料の依頼があった場合には、内容を確認して対応します。

結果が届いたら、認定の有無・等級だけでなく、判断の理由や、どの症状が対象として検討されたかを確認してください。

申請前に準備する診断書・検査資料・生活の記録

医学的な資料と、本人の記録を分けて整理する

資料

主に確認する内容

後遺障害診断書

症状固定時点の症状、検査所見、障害の内容

診断書・診療報酬明細書など

負傷内容、通院先、治療の経過

レントゲン・MRI・CT等の画像や検査結果

障害を検討するための医学的な所見

交通事故証明書・事故状況の資料

事故の発生と負傷に関係する事情

仕事・生活の記録

残った症状による具体的な支障

必要資料は、障害の内容や手続きによって異なります。すべての方が同じ検査を受ける必要があるという意味ではありません。検査の必要性は主治医に相談し、提出する資料は手続きの窓口にも確認してください。

生活や仕事の支障は具体的に記録する

本人の記録は、医師の診断や検査に置き換わるものではありませんが、支障の内容を伝えるための材料になります。

たとえば、次のように具体化します。

  • どの動作をすると、どの部位に症状が出るか

  • どの程度の時間なら作業を続けられるか

  • 事故前にできた家事や仕事のうち、現在難しいものは何か

  • 人の手助けが必要になった場面は何か

これは記録の取り方の例です。症状には変動もあるため、できること・できないことの両方を、実際の状態に沿って記録してください。

診断書に疑問がある場合は医師へ確認する

診断書を受け取ったら、氏名や事故日、症状の部位などに明らかな誤りがないか確認します。伝えた症状の記載が見当たらない場合には、医師へ内容を確認しましょう。

本人が診断書を修正したり、認定を得るために事実と異なる記載を求めたりすることは適切ではありません。医学的な評価は医師に確認し、必要な記載や資料の整理について判断しにくい場合には、弁護士への相談も検討できます。

等級が認定されると賠償の検討はどう変わる?

後遺障害慰謝料と逸失利益を検討する

後遺障害が問題になる場合、主に次の損害を検討します。

  • 後遺障害慰謝料: 障害が残ったことによる精神的な苦痛に対する賠償

  • 後遺障害逸失利益: 障害による労働能力への影響から、将来得られたはずの収入などを失うことに対する賠償

等級は重要な判断材料ですが、等級だけで賠償額の全体が決まるわけではありません。逸失利益では、収入、年齢、職業、障害が仕事に与える具体的な影響なども検討します。

自賠責の認定結果と、裁判での判断は区別する

自賠責で認定された等級は、示談交渉や損害評価でも重要な資料になります。ただし、裁判所がその認定結果に必ず拘束されるわけではありません。

また、自賠責で非該当となったことから、後遺症に関する損害賠償がどの場面でも一切認められないと結論づけることはできません。裁判等で別の評価を求める場合には、その根拠となる医学的資料や具体的な事情を検討する必要があります。

非該当や想定と異なる等級だった場合

まず判断の理由と提出資料を確認する

結果に疑問がある場合は、同じ主張を繰り返す前に、何が問題になったのかを整理します。

事故との関係、症状の裏付け、障害の程度など、どの点について判断されたかを確認し、提出済みの資料と照合してください。

異議申立てなどを検討する

自賠責の認定結果に不服がある場合には、異議申立てを検討できます。判断の理由に応じて、診断書・医師の意見、検査結果、生活状況の資料などで何を補えるかを確認します。

ただし、追加資料を提出すれば必ず結果が変わるわけではありません。異議申立てや、その後の交渉・訴訟を検討する場合には、見通しと必要な対応を整理することが大切です。

まとめ:治療経過と残った症状を資料で伝える

後遺障害の等級認定では、症状が残ったという事情に加え、事故との関係や医学的な裏付けを確認します。主治医と症状固定について相談し、診断書・検査資料・治療の経過を整理しましょう。

認定結果は賠償を検討するうえで重要ですが、それだけで賠償額のすべてが決まるものではありません。手続きの選択や資料の準備、結果の見方で迷う場合には、関係資料をそろえて弁護士に相談することも考えられます。

この記事の執筆者

あきらB

交通事故被害者の方が適切な賠償金を受け取れるよう、法律的な観点から初期対応のアドバイスや記事の執筆、内容の検証・監修を行っています。

この記事をシェアする

交通事故ガイド後遺障害

交通事故の後遺障害とは?認定の流れ・等級...