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交通事故の示談金が低いと感じたら?提示額の確認点と対応

交通事故の示談金が低いと感じたら?提示額の確認点と対応

あきらB

#個別の悩み

この記事はこんな人におすすめ:

  • 保険会社から示談金を提示され、妥当な金額か判断できない方

  • 慰謝料や休業損害などの計算に疑問がある方

  • 提示額に納得できず、返答前に何を確認すべきか知りたい方

交通事故の示談金が低いと感じたら、合計額だけで判断せず、損害項目・計算の前提・過失割合・支払済み額を順に確認しましょう。 提示された金額が、損害の総額なのか、すでに支払われた治療費などを差し引いた残額なのかによっても、受け止め方は変わります。疑問がある場合は計算の根拠を尋ね、資料を整理してから返答することが大切です。この記事では、提示書の見方と、納得できない場合の対応を説明します。

目次

  • 示談金が低いかどうかは内訳から確認する

  • 提示書で確認したい4つのポイント

  • 提示額に納得できないときの対応

  • 合意する前に示談の範囲を確認する

  • まとめ:金額の差が生じた理由を整理する

示談金が低いかどうかは内訳から確認する

示談金のすべてが慰謝料ではない

交通事故の賠償では、治療費、通院交通費、休業損害、慰謝料など、性質の異なる損害を整理します。後遺障害が問題となる場合には、それによる慰謝料や逸失利益も検討することになります。

そのため、提示された示談金の全額を、インターネットで見た「慰謝料の相場」と直接比べても、適切な比較にはならないことがあります。

最初に確認するのは「何に対して、いくら支払うという提示なのか」です。 内訳が分からない場合は、項目別の金額と計算の前提を示してもらいましょう。

損害の総額と追加で受け取る額を区別する

保険会社が病院に治療費を直接支払っていた場合、その費用も損害の計算に含めたうえで、支払い済みとして差し引くことがあります。休業損害などが先に支払われている場合も、精算の確認が必要です。

例えば、次のような計算を考えてみます。

計算の段階

仮定の金額

損害額の合計

200万円

被害者の過失20%を反映した額

160万円

すでに支払われた治療費等

60万円

追加で支払われる額

100万円

これは、計算の流れを説明するための仮定例であり、相場や実際の解決事例ではありません。 専門書に掲載された、過失相殺後に支払い済み額を差し引く計算例を参考に単純化しています。自賠責保険からの支払い、社会保険の給付などが関係する場合まで、同じ順序・方法で処理できるとは限りません。

この例では、追加の支払額だけを見ると100万円ですが、損害の合計が100万円と評価されたわけではありません。低いと感じる理由が、損害の評価なのか、減額なのか、支払済み額の精算なのかを分けて考えます。

提示書で確認したい4つのポイント

1.請求した損害の項目が入っているか

まず、実際に生じた費用や収入への影響と、提示書の項目を照らし合わせます。

確認する項目

確認の視点

手元で整理する資料の例

治療費・薬代

自分で負担した分が計算に入っているか

領収書、診療明細書

通院交通費

対象の受診日や交通手段に漏れがないか

通院日・経路・費用の記録

休業損害

請求した休業や収入の減少が反映されているか

休業損害証明書、給与資料等

入通院慰謝料

対象期間やけがの内容がどう扱われているか

診断書、入通院の記録

後遺障害による損害

残った障害の評価を含む提示なのか

後遺障害診断書、認定結果等

この表は確認用の整理であり、すべての費用が当然に認められるという意味ではありません。

記載がない項目は、単なる漏れなのか、資料不足なのか、請求を認めない判断なのかを確認してください。 理由によって、追加する資料や説明する内容が変わります。

2.計算に使われた期間・日数・収入・基準が合っているか

項目が記載されていても、計算の前提が自分の認識と違うことがあります。例えば休業損害なら、何日分の休業を、どの収入資料に基づく金額で計算したのかを確かめます。

入通院慰謝料では、治療期間やけがの内容に加えて、どの算定基準による提示なのかも確認点です。専門書では、自賠責保険、任意保険会社、裁判所の基準が区別されています。

ただし、「裁判基準で請求する」と伝えるだけで、その金額が必ず支払われるわけではありません。 個別の事情や資料を踏まえ、どの金額を求める根拠があるかを検討します。

「何となく少ない」という段階から、「休業日数のうち何日が除かれている」「治療期間のどこからどこまでを計算している」と、疑問を具体化することが大切です。

3.過失割合と、その前提の事故状況が合っているか

被害者側にも事故の発生などについて過失がある場合には、その割合に応じて賠償額が減らされることがあります。これが過失相殺です。

提示額を見るときは、被害者側の過失を何%としているのか、どのような事故状況を前提としているのかを確認します。割合だけでなく、車両の動きや信号など、説明の前提に認識の違いがないかを整理しましょう。

割合に疑問がある場合は、事故状況の説明と、ドラレコ映像、写真など手元の資料を照らし合わせます。ここで示した資料は整理の例であり、特定の資料があれば希望する割合になるというものではありません。

損害項目の金額と過失割合は、別々の確認事項です。 慰謝料だけを見直しても、過失割合に関する疑問が解消するわけではありません。

4.支払い済みとして差し引かれた額が合っているか

提示書の「既払金」などの欄には、すでに支払われた金額が記載されていることがあります。自分の口座に振り込まれたお金だけでなく、病院への直接払いなども確認してください。

支払い済み額が一括表示されている場合は、いつ、誰に、どの費用として支払われたのかを尋ねます。手元の入金記録や領収書と照らし合わせ、同じ費用の二重計上や控除がないかを確認しましょう。

「差し引かれているから不当」とも、「保険会社の計算だから正しい」とも決めつけず、内訳を確認することが必要です。 社会保険など別制度の給付が関係し、差し引き方が分からない場合は、その給付の資料も含めて相談してください。

提示額に納得できないときの対応

疑問点を項目ごとに整理して説明を求める

保険会社への連絡では、希望する総額だけを伝えるよりも、どの計算に疑問があるのかを示すと、話し合う対象を明確にできます。

例えば、次のように整理します。

  • 休業損害について、請求した日数と提示書の日数が違うため、除外した理由を確認したい

  • 自分で支払った治療費が記載されていないため、提出済みの領収書が反映されているか確認したい

  • 既払金の内訳が分からないため、支払先と費用の項目を確認したい

これは連絡内容の例であり、決まった言い方を使えば増額されるというものではありません。回答を受けたら、説明された理由と、それに対応する資料を整理しましょう。

資料で裏付けられる部分を検討する

提示額を見直すには、どの損害が生じ、どのように計算すべきかを説明することが重要です。すでに提出した資料がある場合は、まずそれが検討されているか確認します。

新たな診断書などの取得が必要と言われた場合は、何を確認するための書類なのか、既存資料では足りないのかを確かめましょう。資料の取得に費用がかかることもあるため、目的が分からないまま集める必要はありません。

自分の認識と違う部分だけでなく、保険会社の説明で理解できた部分も分けておくと、残る争点を整理できます。

話し合いが進まない場合は、資料を持って相談する

説明を受けても判断できない場合や、資料を示しても意見が一致しない場合は、弁護士への相談を検討できます。相談時には、提示書、計算の内訳、これまで提出した資料、相手の回答をまとめておくと、争点を説明しやすくなります。

交渉で解決できない場合には、調停や訴訟などの方法を検討することもあります。ただし、どの方法を選ぶかは、争点、資料、時間や費用の負担などを踏まえて考える必要があります。

弁護士への相談や依頼によって、増額や希望どおりの解決が保証されるわけではありません。 依頼を考える際は、検討できる請求内容に加え、費用や見通しも確認しましょう。

合意する前に示談の範囲を確認する

金額だけでなく、何を終わらせる合意かを確認する

示談書では、支払金額や支払条件のほかに、これ以上請求しないことなどを定める「清算条項」が問題になります。

今回の合意が、けがによる損害全体を終わらせるものなのか、特定の損害だけを対象とするものなのかを確認してください。後遺障害の手続きなど、まだ検討している事項がある場合は、それが合意の対象に含まれるかも重要です。

金額に納得できた場合でも、合意の範囲が分からないまま返答しないことが大切です。

署名前なら何を答えてもよいわけではない

専門書では、示談書の作成は示談成立の必須条件ではないと説明されています。書面への署名だけに注意して、電話やメールでの返答を軽く考えないようにしましょう。

確認中であれば、金額や条件について確認している段階であることを明確に伝えます。すでに合意した可能性がある場合は、やり取りの内容や書面を確認する必要があります。

一度成立した示談について、後から「思っていたより低かった」という理由だけで、自由にやり直せるとは限りません。例外が問題になる場合もありますが、個別の事情によるため、合意後の変更を当てにして進めないでください。

まとめ:金額の差が生じた理由を整理する

示談金が低いと感じたら、損害項目の漏れ、計算の前提、過失割合、支払済み額の4点を確認しましょう。損害の合計と、追加で受け取る額の違いにも注意が必要です。

疑問点は項目ごとに整理し、根拠資料とともに説明を求めます。提示額や合意の範囲を判断できない場合は、返答する前に提示書や連絡記録を持って相談してください。

この記事の執筆者

あきらB

交通事故被害者の方が適切な賠償金を受け取れるよう、法律的な観点から初期対応のアドバイスや記事の執筆、内容の検証・監修を行っています。

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