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交通事故で脚の長さ・形が変わった、足指が動かないときは?後遺障害等級と必要な資料

後遺障害

2026/10/07

交通事故で脚の長さ・形が変わった、足指が動かないときは?後遺障害等級と必要な資料

あきらB

#部位・症状別

この記事はこんな人におすすめ:

  • 脚の骨折後、左右の長さが違う、曲がってつながったと言われた人

  • 骨が十分につながらず、歩行や体重をかける動作に支障がある人

  • 足指の欠損や動きの制限が残り、後遺障害の評価を知りたい人

脚の長さの違い、骨の変形、足指の障害は、それぞれ異なる基準で確認します。「骨折の後に歩きにくい」という訴えが同じでも、残った障害の種類によって、測定方法や必要な資料は変わります。

また、画像で骨の変化が分かることと、後遺障害等級の基準を満たすことは同じではありません。本記事では、下肢の短縮・変形・偽関節と、足指の欠損・機能障害について整理します。

目次

  • 下肢の短縮・変形・足指の障害を分けて確認する

  • 脚が短くなった場合の等級と測定の考え方

  • 骨の変形や偽関節が残った場合の評価

  • 足指を失った場合は、欠損の位置と本数を確認する

  • 足指が動かない場合と、痛み・しびれが残る場合

  • 申請に向けて整理したい画像・診断書・治療記録

  • 複数障害、非該当への対応、仕事への影響

  • まとめ:長さ・形・足指の働きを資料で確認する

下肢の短縮・変形・足指の障害を分けて確認する

「歩きにくい」の原因は一つとは限らない

大腿骨や脛骨・腓骨の骨折、足指の骨折や脱臼、腱・神経の損傷などの後に、脚の長さや形、足指の働きに変化が残ることがあります。

大腿骨は太ももの骨、脛骨と腓骨は膝から足首までにある骨です。これらの細長い骨を長管骨と呼びます。

障害の種類

主に確認すること

下肢の短縮

左右の長さの差、測定方法、事故との関係

長管骨の変形

骨の種類、曲がり・回旋などの状態、画像と外観

偽関節

骨の癒合状態、部位、異常な動き、補装具の必要性

足指の欠損

どの指を、どの位置で失ったか

足指の機能障害

残った骨の範囲、関節の可動域、原因となる損傷

痛み・しびれ

症状を説明する所見、事故からの継続、残存状態

同じ脚に複数の障害が残る場合もあります。ただし、症状の数だけ等級を足し合わせるわけではありません。まず各障害を分け、その関係を整理します。

関節の障害や骨盤の変形とも区別する

股関節・膝・足首が動かしにくい場合には、関節機能障害の基準が関係します。一方、骨盤の変形は、ここで扱う大腿骨・脛骨等の長管骨の変形とは別の区分です。

骨折した部位と、症状が残っている部位を一致させて説明することが重要です。「脚の骨折」「足の障害」という大きな括りだけでは、適切な評価を検討しにくくなります。

脚が短くなった場合の等級と測定の考え方

短縮の程度に応じた3つの区分

事故によって片方の下肢が短くなった場合、自賠責では次の区分が問題になります。

下肢の短縮の程度

等級

5cm以上

8級5号

3cm以上5cm未満

10級8号

1cm以上3cm未満

13級8号

表は重複しない範囲に整理したものです。実際には、事故によって生じた短縮であることや、測定結果の正確さも確認します。

「片方の脚が短く感じる」という訴えだけで等級が決まるわけではありません。診察による測定や、X線画像での左右比較などを通じて、どの程度の短縮が残っているかを確認します。

靴の高さや姿勢の違いだけで判断しない

中敷きや補高靴を使用している場合でも、その高さをそのまま短縮の長さと扱うことはできません。使用の目的、医師の説明、身体の測定結果と対応させます。

また、膝が伸び切らない、立つ姿勢が変わったなどの事情がある場合には、長さの差の原因を確認します。見た目の左右差と、下肢短縮として評価する差を混同しないことが大切です。

数値が基準の境界に近いときも、自己測定だけで結論づけず、測定部位や条件が分かる資料を整理します。

事故前の状態や、成長期の変化も確認する

以前から脚の長さに違いがあった場合、過去の骨折や手術歴がある場合は、今回の事故によって生じた変化を分けて確認します。

成長期の子どもなどでは、骨折後に短くなるのではなく、過成長で長くなる場合もあります。書籍では、一定の延長について短縮の場合に準じた相当等級の取扱いが説明されています。将来の変化や評価時期も含めて、担当医の所見を確認する必要があります。

短縮・延長の等級と、実際の歩行や仕事への影響は、関連するものの同じ判断ではありません。長さの差に加え、どの動作にどのような支障が残っているかも整理します。

骨の変形や偽関節が残った場合の評価

長管骨の変形は、骨折後の変化すべてを意味しない

長管骨に一定の変形が残った場合は、12級8号の検討対象になります。ただし、骨折の跡が画像に写っているだけで、直ちに該当するものではありません。

例えば、大腿骨や脛骨に外から見て分かる程度の屈曲変形が残る場合が問題になります。書籍では、その程度について、15度以上曲がって不正癒合した状態が説明されています。不正癒合とは、骨が本来と異なる位置や向きでつながった状態です。

腓骨だけの変形については、その程度が著しい場合の取扱いがあるため、脛骨と同じ説明をそのまま当てはめないことが必要です。

変形の基準には複数の種類がある

長管骨の変形の評価は、曲がりの角度だけに限られません。書籍では、一定の骨端部の癒合不全、骨端部の大部分の欠損、骨の直径の減少、大腿骨の一定の回旋変形癒合なども挙げられています。

骨端部は、長管骨の端に当たる部分です。骨が曲がっているのか、ねじれた向きでつながっているのか、骨の端の部分に欠損等があるのかによって、確認する条件が異なります。

「15度未満だから、どの変形の基準にも当たらない」と一律に判断するのも適切ではありません。逆に、少しでも形の変化があれば12級になるということでもありません。

骨折部が正しい方向に短縮なく癒合している場合には、その部位に骨の肥厚があるだけで変形障害とされるわけではない点にも注意が必要です。

偽関節は、骨が十分につながらない状態に関係する

偽関節とは、一般に、骨折部の骨片同士がつながる過程が止まり、本来は動かない部位で異常な動きが生じる状態をいいます。治療中にまだ骨がつながっていないというだけで、直ちに後遺障害としての偽関節になるわけではありません。

下肢では、条件に応じて次の等級が問題になります。

区分

等級

主な確認点

下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

7級10号

対象となる部位の癒合不全と、常時の硬性補装具の必要性など

下肢に偽関節を残すもの

8級9号

対象となる部位の癒合不全と、常時の硬性補装具を要しない状態など

対象となるのは、大腿骨や脛骨等の所定の部位・状態です。どの骨のどの部分かによって扱いが異なり、例えば腓骨だけの癒合不全を、無条件にこの表へ当てはめることはできません。

また、骨幹部等と骨端部では取扱いが異なります。骨のどこに問題があるか、支えるための硬性補装具がどの程度必要かを、画像・診断・処方内容から確認します。

治療の見込みと症状固定の時期を確認する

偽関節では、追加の手術による改善の可能性などから、症状固定の時期が争点になることがあります。骨の癒合状態、今後の治療方針、改善の見込みを担当医に確認します。

これは、等級認定のために手術を受ける、又は受けないと決めるという意味ではありません。治療上の判断を優先し、残存する障害を適切な時期に評価することが重要です。

足指を失った場合は、欠損の位置と本数を確認する

足指の欠損は、手指と同じ基準ではない

足の親指を第1趾といい、その隣から第2趾、第3趾、第4趾、第5趾と呼びます。

等級表の「足指を失ったもの」は、足指の全部を失った状態を意味し、具体的には付け根の中足趾節関節(MTP関節)から失った場合が基本です。指先が少し欠けた状態すべてを、この区分で評価するわけではありません。

手指は親指のIP関節、それ以外のPIP関節以上という欠損基準があるため、手指の記事の説明を足指に置き換えないことが必要です。

第1趾を含むか、どの指を何本失ったかで等級が変わる

片足の足指について、代表的な組合せは次のとおりです。

失った足指

等級

5本全部

8級

第1趾を含む2本以上(5本全部を除く)

9級

第1趾だけ、又は第1趾以外の4本全部

10級

第2趾だけ、第2趾を含む2本、又は第3~5趾の3本全部

12級

第3~5趾のうち1本又は2本

13級

表は片足の主な区分を示したものです。第2趾を含む3本など、表に直接掲げていない組合せや、両足の障害は個別の評価を確認します。

足指の本数だけでなく、第1趾・第2趾を含むかを明らかにすることが大切です。欠損の位置についても、外観の写真だけでなく、画像や手術記録と照合します。

足指が動かない場合と、痛み・しびれが残る場合

足指の「用を廃した」には骨の欠損も含まれる

用廃は、日常語の「まったく使えない」と同じ意味ではありません。一定の骨の欠損や、関節の動きの制限が含まれます。

足指

主に確認する状態

第1趾

末節骨の半分以上の欠損、又はIP関節の著しい運動障害

第1趾以外

DIP関節以上の欠損、又はMTP・PIP関節の著しい運動障害

IP関節は第1趾の途中の関節、DIP関節は他の足指の先端寄りの関節、PIP関節はその一つ付け根側の関節です。

運動障害については、所定の関節の可動域が健側の2分の1以下に制限されているかなどを確認します。健側は比較対象となる障害のない側です。足指の曲げ伸ばしの程度だけでなく、制限の原因も検討します。

用廃の等級も、足指の組合せによって異なる

片足の代表的な区分は、次のとおりです。

用廃となった足指

等級

5本全部

9級

第1趾を含む2本以上(5本全部を除く)

11級

第1趾だけ、又は第1趾以外の4本全部

12級

第2趾だけ、第2趾を含む2本、又は第3~5趾の3本全部

13級

第3~5趾のうち1本又は2本

14級

こちらもすべての組合せを網羅した表ではありません。欠損と用廃が混在する場合も含め、足指ごとの状態を先に整理して、全体の等級を検討します。

原則は他動運動。神経麻痺などは原因に応じて評価する

可動域の評価では、原則として、検査者が外から力を加えて動かす他動運動の測定値を用います。自分の力で動かす自動運動の値だけで、直ちに用廃と判断するものではありません。

神経麻痺など、他動値を採用することが適切でない場合には自動値が問題になります。どちらの値を用いるかは、有利な数字を選ぶのではなく、障害の原因に応じて確認します。

また、測定値が時期や検査者によって異なるときは、方法の違い、治療による変化、その変動を説明する所見を確認します。

痛み・しびれは、機能障害とは分けて検討する

足指に痛み・しびれが残る場合には、12級13号や14級9号の神経症状として評価される可能性があります。ただし、症状があるだけで認定されるわけではなく、医学的所見、事故との関係、経過などを確認します。

手指には、一定の感覚の完全脱失を用廃として扱う基準がありますが、足指にその取扱いをそのまま当てはめることはできません。

足首・腰・神経の障害が足指の動きや感覚に影響している場合もあります。症状の場所だけで原因を決めつけず、診断・検査と対応させて整理します。

申請に向けて整理したい画像・診断書・治療記録

障害の種類に応じた資料をそろえる

資料

主な確認点

事故直後の診療録・紹介状

骨折や欠損の部位、当初の症状、受傷状況

X線・CT等の画像と所見

短縮、変形、癒合不全、欠損の位置と範囲

長さ・角度の測定記録

左右、測定部位、方法、条件、測定日

手術・治療記録

固定や骨移植等の処置、治療後の状態、追加治療の見込み

足指の可動域の記録

指の番号、関節名、自動・他動、左右比較

補装具等の処方・使用記録

必要な理由、使用場面、医師の指示

後遺障害診断書

症状固定時の障害、他の記録との整合性

生活・仕事の記録

歩行、立位、作業、援助や業務変更の実態

例えば、短縮では長さの差、変形では骨の部位と変形の種類、足指では欠損位置や対象関節が中心になります。すべてを同じ「歩行障害」の説明だけで済ませないことが大切です。

事故前後の違いと、治療経過をつなげる

過去の骨折や手術、もともとの脚の長さの違いがある場合には、事故前の状態も確認します。画像上の異常が存在することだけでは、今回の事故によるものかまでは判断できません。

骨の癒合や足指の動きが治療により変化した場合は、その経過を整理します。最も悪い数値だけを取り出さず、症状固定時に何が残ったかを説明できる資料にします。

検査の必要性や治療方針は担当医が判断する事項です。認定のために不要な検査を重ねたり、無理に歩行や関節の動きを試したりする必要はありません。

複数障害、非該当への対応、仕事への影響

同じ脚の障害でも、必ず一つになるわけではない

下肢の短縮、長管骨の変形、関節機能障害などが併存するときは、それぞれの評価と、系列・派生関係を確認します。必ず併合できる、又は同じ脚だから必ず一つにまとめるという一律の説明はできません。

例えば、骨折後の変形とその部位に通常伴う痛みを、無条件に独立した障害として重複評価するものではありません。また、同じ側の下肢の機能障害と足指の障害には、認定上の系列の取扱いが関係します。

各障害の所見を正確に示したうえで、全体としての等級を検討します。

非該当の理由に応じて確認する

認定結果が想定と異なる場合には、次のように理由を分けて読みます。

  • 短縮の長さや変形の程度が基準に達していないのか

  • 測定部位や方法が不明確とされたのか

  • 偽関節の部位・状態や補装具の必要性が認められなかったのか

  • 足指の欠損位置や可動域が基準に該当しないのか

  • 事故との関係や、症状固定が問題とされたのか

異議申立て等では、同じ訴えを繰り返すだけでなく、どの判断に対して画像、測定記録、医師の説明を補えるかを検討します。手指の基準を足指に用いていた場合などは、主張の前提から見直す必要があります。

等級と、実際の仕事への影響は分けて整理する

短縮や変形の等級が認められたことだけで、逸失利益の額が自動的に確定するわけではありません。職種、業務内容、支障の程度、収入への影響などを確認します。

場面

記録する内容の例

歩行・通勤

歩ける距離、休憩、移動手段や所要時間の変化

立ち仕事

継続できる時間、座る必要性、担当変更

現場作業

足場、階段、荷物運搬などの支障と周囲の補助

家事・育児

買物、掃除、外出、立ち座りで必要な援助

靴・補装具

使用の理由、使用しても残る支障、処方内容

補高靴などで改善する点も、なお残る支障も、両方を事実に沿って記録します。等級の説明と生活実態が食い違わないようにすることが大切です。

まとめ:長さ・形・足指の働きを資料で確認する

下肢の短縮・変形・偽関節と足指の障害は、評価の対象と基準が異なります。脚の長さの差、骨の部位と癒合状態、足指の欠損位置や関節の動きを分けて確認しましょう。

診断書だけでなく、画像、測定記録、治療経過、補装具の必要性、生活・仕事への影響を対応させることが重要です。複数の障害や非該当の判断も、具体的な資料と理由に沿って検討します。

本記事は一般的な情報を説明するもので、個別の診断、治療方針や等級認定を判断するものではありません。医療上の判断は担当医に確認し、申請や賠償の進め方は具体的な資料に基づいて検討してください。

この記事の執筆者

あきらB

交通事故被害者の方が適切な賠償金を受け取れるよう、法律的な観点から初期対応のアドバイスや記事の執筆、内容の検証・監修を行っています。

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